離脱

思ったことを書いてそのあと取りまとめます。

物語で商品を売る極致

物の価値のことを考えるときぼくはいつもトレーディングカードゲームのことを思う。トレーディングカードゲームの代表例としてあげられるものにマジックザギャザリングがある(通称MtG)。カードの絵の格好よさに引かれてぼくも一度だけ買ったことがある。結局回りにやっている人がおらず、1パックだけ買ってそれでおしまいになってしまったが。

さてこのMtGのなかでも特にレアリティがたかく高額で売買されるカードもある。そのなかでもブラックロータスというカードは、安くとも数十万円で取引されるという。昔、親が息子の持っていたカードを勝手に売ろうとして、そのなかにブラックロータスが紛れており、オークションで高額の入札が相次いだというような話がニュースになっていたことがあったと思う。

なにも知らない人にとってはただの紙切れも、見る人が見れば極めて価値の高いものになる。ただの紙切れがトレーディングカードゲームのルールを通して見ると途端に価値の高いものに変貌するわけである。ぼくはここに物事も価値の本質の一端が垣間見えているように思う。

それはつまり、物事の価値は物事そのものではなくそれを取り巻く物語によって設定されるということである。そしてその物語を人が信じることで、ものに価値が生まれるのである。

結局ものに価値を持たせようとするためには、既存の物語に乗っかってその枠組みのなかで価値のあるものを作るか、新しい物語を作り出してそれを多くの人に信じさせることで新たな価値構造を作り出すかのどちらかになってくるのである。